アスファルトの道。見上げた空は曇り空。わたしは何かを探している。
そろそろ喫茶店が見えるはずの曲がり角で立ち止まる。
確かこの辺だったのに見当たらない。
振り返ると突然現れたかのように喫茶店が目に飛び込んだ。
いつの間に通り越してしまったのだろうか。
外は寒いのでとにかく中へ入り、コーヒーを注文する。
足が冷たい、手も。
そういえばこの店内、暖房がきいていない?
外と同じくらい寒い。
早く温かいコーヒーが飲みたいなと思っていると、
若い店員がコーヒーではなく、小さな硝子の小瓶をテーブルに置き、
「探していたのはこれですよね。」と言った。
探していたもの、わたしが?
手にとってその小瓶を眺めているとだんだんと視界がぼやけてきた。
わたしは目が覚めた。いつの間にか寝てしまったのだ。
部屋は薄暗くひんやりしている。
ローテーブルの上には、白いマグカップが二つ、小さめのホールケーキ。
白い生クリームにラズベリーが飾られ、シンプルだが人気のあるお店のケーキで
この日のために予約を入れておいたものだ。
わたしの隣には彼。
彼は体を丸めてソファに顔をうずめている。
今日もお気に入りのくたくたのトレーナーを着ている。
彼のにおいが染みこんだトレーナー、わたしの大好きなもののひとつ。
わたしは彼のにおいごと抱きしめるように彼の胸に手をまわし抱き起こす。
わたしの腕にじんわり、ぺたりと何かがはり付くような感触。
冷たく重い彼の体を抱き起こし、そっとよりかかる。
ふうとため息。
白いマグカップをとり、ゆっくりと冷えきったコーヒーをすすった。
赤く染まった指が白いマグカップに色をつける。
「あったかいコーヒーをあなたと飲みたかったな・・・・・・」
わたしは、また彼によりかかり、そっと目を閉じた。
わたしはケーキを切ろうとしていたのに、なのにあなたがあんなこというから・・・・・・。
あなたはわたしと約束したのに。
先週の水曜の夕暮れ時、あなたはわたしにこう言った。
「今度こそ、アイツと別れるよ」
決心をした目だった。
夕日で赤くオレンジに染まった雲がとてもきれいな日で、
わたし、幸せだったのよ。
とても・・・・・・・とても・・・・・・・・。
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お題:「水曜の夕暮れ/曲がり角で/硝子の小瓶が」
初めて参加させていただいたのに、締め切りすぎてしまいましてしみません。
あと「硝子の小瓶が」なのに「硝子の小瓶を」と勘違いしておりました。
次回からしっかりやらせていただきます

火サス(火曜サスペンス)をイメージしてつくりました。
空想は大好きなのですが、なかなか言葉が出てこなくて
あらためて、難しいなぁと思いました。
でも、とっても楽しかったのでまた挑戦したいと思います♪